「転売」の定義と「仕入れ販売」との違いについて!
近年、「転売」という言葉は、日常的にニュースやSNSで耳にするようになりました。
特に、限定スニーカーやゲーム機、人気アーティストのチケットなどを高額で売買する事例が社会問題化し、「転売=悪いこと」というイメージを持つ人も少なくありません。
しかし、そもそも「転売の定義」とは何でしょうか?
そして、正規の小売店が行っている「仕入れ販売」との違いはどこにあるのでしょうか?
この記事では、「転売の定義」や「仕入れ販売との違い」というテーマで、法律的な観点・ビジネス上の観点・社会的評価の観点から徹底的に解説します。
転売の定義とは?
転売の定義とは?
転売とは、一度購入した商品を、他者に再販売して利益を得る行為を指します。
例えば、Aさんが家電量販店でゲーム機を購入し、それをBさんに高値で販売する場合、これが「転売」にあたります。
広い意味では、「仕入れて販売するすべての行為」が転売に含まれます。
つまり、小売業そのものも「転売」と言えるのです。
「卸売業者が小売店に販売→小売店が消費者に販売」
このような流れも「再販売(転売)」の一種です。
一方で、日常的に使われる「転売」という言葉は、限定商品や人気商品を買い占めて高額で再販売する行為を指す場合が多いです。
この場合、一般的な小売業とは区別され、ネガティブな意味合いを含むことが多いのです。
仕入れ販売とは?
仕入れ販売の定義は?
「仕入れ販売」とは、メーカーや卸業者から商品を正規の価格で仕入れ、それを消費者に販売することを指します。
コンビニやスーパー、家電量販店など、私たちが日常的に利用する店舗はすべてこの仕組みで成り立っています。
【正規流通の特徴】
✔メーカー・卸・小売という明確な流通ルート
✔価格設定は市場競争に基づく(高額転売のような不自然な価格ではない)
✔社会的に必要とされる役割(消費者に商品を届ける)
このように「仕入れ販売」は、社会に不可欠な経済活動です。
転売と仕入れ販売の違い
転売と仕入れ販売の違いについて!
ここで、本題の「転売と仕入れ販売の違い」を整理してみましょう!
観点毎の違いについて、以下の表に纏めました↓
観点 | 仕入れ販売(小売) | 転売 |
---|---|---|
定義 | メーカー・卸から正規に商品を仕入れて消費者へ販売 | 消費者が商品を購入し、それを第三者に再販売 |
流通ルート | 正規の商流 | 正規ルート外(個人間取引が多い) |
目的 | 商品を広く供給する | 利益の最大化、希少性の利用 |
価格 | 市場競争や需要に応じた適正価格 | 希少性に基づく高額設定が多い |
社会的評価 | 必要不可欠で肯定的 | 不公平・迷惑という否定的イメージが強い |
法規制 | 小売業として合法 | チケット転売禁止法や古物営業法に抵触する場合あり |
転売が問題視されるケース
転売が問題視されるケースをご紹介!
転売が問題視されるケースを、いくつかご紹介します。
限定商品の買い占め
人気ゲーム機やスニーカー、フィギュアなどを大量に購入し、一般消費者が正規価格で手に入れられない状態にして高値で売る行為。
チケットの高額転売
2019年施行の「チケット不正転売禁止法」により、正規価格を超える販売は違法とされています。
マスクや消毒液の転売
新型コロナ禍では、一時的にマスクや消毒液の高額転売が社会問題となり、国によって禁止措置が取られました。
合法的な転売と違法な転売
合法的な転売と違法的な転売を把握しよう!
合法な転売例と違法(規制対象)の転売例の比較は、以下の通り↓
合法な転売例 | 違法または規制対象の転売例 |
---|---|
・フリマアプリで不要になった洋服を販売 ・リサイクルショップが中古品を買い取り販売 ・古物商許可を得て中古品を扱うビジネス | ・チケット不正転売 ・医薬品や医療機器の無許可販売 ・商標権や著作権を侵害する偽ブランド品の転売 |
転売と仕入れ販売の違いを理解する意義
正しい理解をして利用することが重要!
消費者にとっては、正規ルートで安心して商品を購入できるかどうかの判断材料になります。
事業者にとっては、合法的なビジネスか違法行為かの線引きを明確にすることができます。
社会にとっては、健全な流通を維持し、不公平感や混乱を避けることができます。
まとめ
今回は、「転売の定義」と「仕入れ販売との違い」というテーマで解説してきました。
改めて纏めると、転売の定義は「一度購入した商品を再販売し利益を得ること」で、仕入れ販売との違いは「正規ルートか、個人が利益目的で横流しするか」となります。
広義には両者とも「仕入れて売る」行為ですが、実際の使われ方としては 「転売=ネガティブな再販売」、「仕入れ販売=正規の商取引」 と区別されます。